善光寺東海別院に伝わる“ご印文”
毎月8日は善光寺東海別院のご本尊、善光寺如来さまのご縁日です。信州善光寺さまより、ご分身の善光寺如来さまが祖父江の地においでになったのが11月8日だったことから善光寺さまのご縁日は毎月8日なのです。このご縁日には“ご印文”の授与がございます。信州善光寺さまにあっては正月7日の七草会の時にだけ授与される「ご判さん」です。“ご印文”のご利益は落語の『お血脈』で大盗賊の石川五右衛門が出てくる話で有名ですが、かいつまんで話をすると落語『お血脈』とは...
善光寺如来さまが天竺(てんじく)、百済(くだら)から、日本にお渡りになる。当時日本は神国だったため、仏敵・守屋の大臣(もりやのおとど)の手によって、難波ヶ池に沈められる。それが原因でその後、日本各地で天変地異が続くようになる。その後、信州の住人・本多善光が善光寺如来さまを救い出し、寺を建てる。これが現在の善光寺さまの由来。この善光寺さまの名物が「お血脈のご印文」、これを額に押してもらうと誰でも極楽に行ける。その反動で地獄は大不況になる。地獄の各部所が倒産し、赤鬼も青鬼もリストラされる。困ったエンマ大王、石川五右衛門に命じて「血脈のご印文」を盗み出させる。見事に「血脈のご印文」を盗んだが、五右衛門はすぐに地獄へ帰らない。元々、芝居っ気のある奴だから、“ありがてえ、かたじけねえ”と、「血脈のご印文」を自分の額に押し頂いたので、大盗賊の五右衛門ですら極楽へ往生しちゃいましたとさ。
という噺。つまりどんな罪人もたちまち極楽往生させてしまうというありがたいものです。また、年始に授けてもらうと1年の無事息災のご祈念にもなるとあってご利益×ご利益といった具合です。善光寺東海別院に於いては正月1日~8日までお授けいたしますので初詣においでの際はどうぞお受けください。