精霊棚です。
きゅうりは馬、なすは牛です。
お盆です。お盆はご先祖さまがこの世にお帰りになる時期です。古来お盆には「精霊棚」を設え、ご先祖さまをあたかもご接待をするようにお盆を過ごしたものです。「精霊棚」にはお膳をあげ、季節の花を供えます。また、きゅうりで作る乗り物は「馬」です。なすは「牛」。ご先祖さまがあの世からこの世へ来る時は「馬」に乗り早く帰りたい、またお盆が終わり、あの世へ戻る時は後ろ髪を引かれながら「牛」に乗り、ゆっくり帰りたい。また、お盆の始まりは「迎え火」を焚き、終わりには「送り火」を焚く習慣もそこかしこに残っています。そして、お盆の時期だけは地獄の釜のふたが開くそうです。地獄で苦しむ餓鬼たちは我先に釜から這い出て行きます。そしてこの世にもどり、満たされない飢えや渇きを貪りに来るのだそうです。その餓鬼たちに施しを与えるのがいわゆる「施餓鬼」です。精霊棚に集まる餓鬼たちに施しを与え、その功徳によって仏徳を頂きます。
最近の社会事情は「お盆休み」は連休になるので家を空け出かける方が多いようですが、そうするとご先祖さまは誰もいない家に置き去りになってしまいます。大切な習慣が損なわれていく気が致します。
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