昔、絵解きを行うことを予告するために使われたポスターです。大獅子吼とは「大いに語りをする」と言う意味だそうです。
昨日、長野市生涯学習センターにて長野郷土史研究会の機関誌「長野」250号記念イベント「未来に繋がる絵解きの世界」において善光寺東海別院副住職夫人が「善光寺如来絵詞伝」のご絵解きを実演致しました。善光寺様のお膝元の長野で絵解きをさせていただく初めてのご縁に本人もいささか緊張の様子でした。また、同会にて、かるかや山西光寺副住職夫人の竹澤環江さんも「苅萱道心と石堂丸」の絵解きの初舞台を踏まれたとのことです。長野郷土史研究会は郷土史研究家の小林一郎先生が会長を務められる集いで約半世紀の歴史を誇る由緒正しき会です。また一郎先生の奥様の小林玲子先生は一郎先生のご指導の元、数多くの絵解きを手掛けられる傍ら、「歴史の町長野を紡ぐ会」の代表を務められる方です。今回は両者の絵解きの後に「絵解きの未来を語る」と題してシンポジュームがあり、そのコーディネーターとして若い2人の聞き手を務められました。ところで、寺の縁起を絵軸や絵巻物を用いて解りやすく話しをする布教の方法である絵解きは一時期衰退の一途を辿っていました。明治大学の林雅彦先生を始めとする「絵解き研究会」の皆さんの努力で少しづつではありますが復活の兆しが見られます。従来、お坊さんの説教(布教)は「難しい程ありがたい。」などといった風潮があり、それに胡坐をかいた僧侶の不勉強も拍車をかけ、仏様の教えが理解できない現象が多くありました。仏教衰退の根源のように感じます。お釈迦様は決して難しいことはお説きにはなっていません。ただ「人々がどうすれば幸せになれるか?」ということだけなのです。絵解きは紙芝居のように絵を指し示しながら語るので解りやすく、また話の中に色々なエピソードがより理解を促してくれます。今年の10月には再び長野の善光寺さんで副住職夫人が「善光寺如来絵詞伝」のご絵解きを実演致します。今後も積極的に取り組んで行きたいと思っている次第です。