善光寺東海別院に参拝される方の中に、「戒名」・「法名」についてお聞きになる方があります。驚いたことに皆さん「戒名」・「法名」=「死んだ後に来世で使う名前」という認識をお持ちです。すなわち、来世(あの世)で使う名前だから出来るだけ立派な名前(戒名・法名)を付けてほしい、、、でないと往生できないのではないか?云々。これは大きな誤りです。もっともこんな誤った認識を植え付けてしまったのは我々僧侶の怠慢の結果だと思います。従来「戒名」・「法名」とは生前にみほとけに帰依すべく受けるものです。二文字の「戒名」・「法名」を受け、みほとけに篤信を積み、信心するのです。結果、その人の生き様を反映して「院号」を授けてもらうなどするべきものなのです。お寺さんが「あなたの家は代々院号がついているから、、、」などという説明しかないのは言語道断です。生前にみほとけと縁ができ、信心を起こせた人はある意味で幸せです。人死があって初めてみほとけ(お寺さん)と縁ができる人がほとんどだからです。
しかし、ご心配なく。お寺はいつも門戸を開いていて、ご縁はいつからでも結べます。「お茶飲みにきました。」「相談したいことがあります。」「こんなこと尋ねていいのかしら。」「なんとなく来ました。」善光寺東海別院においでになる方はこんなことをおっしゃいながらお参りされます。それらすべてがみほとけからご縁の導きなのです。